始めに
木製階段の手すりの中でも、直線の手すりと曲線の手すりが連続してつながる、オーバー.
ザ.ポスト形式の階段は、ひときわ美しいものです。
一般にこの形式は、手すり相互が埋め込みのボルト、ナットで確実に連結され、親柱、子柱
の上端は、穴開けされた手すり下端へ差し込まれて、接着剤併用で組み付けられます。
又、親柱、子柱とも、その下端ピンが段板へ差し込まれ、強固に接着固定されます。
この自動計算書でも取り上げる、米国フィッツ社のレッドオーク階段材は、正確に組み
上がると、階段そのものが、赤みを帯びた工芸品のような光沢をもつと共に、とても
堅牢に仕上がります。
従来から、このオーバー.ザ. ポストの階段組み付けは、熟練した大工さんの、高い技量が
必要とされ、今日に至っています。
目視と勘を主とする、熟練した技量によって組み上げられた、オーバー. ザ. ポスト階段
接続寸法、切断位置の決定について
※ オーバー. ザ. ポスト階段について、 先に詳しくお知りになりたい方は、こちらです。※
従来は、熟練した職人でしかなし得なかった、オーバー. ザ. ポスト階段手すり部材の、
接続切断寸法決定を、自動計算書(A4版 1~2枚で一組)によって、素早く、正確に
できるようになりました。
注意!! ※自動計算書の入力部材は、フィッツ社の製品で、
添付図記載の部材とします。※
自動計算書の様式を先にご覧になりたい方は、
以下のリンク先をご覧ください。
自動計算書の様式は、左図のシンボルA.B.Cに分かれて
います。 A.B組は回り階段手すりを表し、計算書は、
計算表1-1(A部)と計算表1-2(B部)に分かれて
手すり緒元が計算されます。 又、C組は手すりが
壁に当たって固定される場合を表し、計算表2(C部)
となって自動計算書が作られています。
ご希望の箇所の計算書をご覧になる場合は、下記の
それぞれのリンク先を選んでください。
計算表1-1(A部)をご覧になる場合はこちらです。
計算表1-2(B部)をご覧になる場合はこちらです。
計算表2 (C部)をご覧になる場合はこちらです。
注意!!リンク先が小さくて、又は大きくて見づらい場合は
“表示(V)”部で、適当な
大きさを選んでご覧ください。
階段の自動計算に際しては、以下、基本的な任意の 8か所の 緒元が要求されます。
? 足が載る部分、踏面の奥行き寸法 ? 段板上の、手すり子柱設置位置寸法
? 一段辺りの上り寸法、蹴上寸法 ? 最下段の手すり親柱から、最初のケコミ
? 階段を上がり切るまでの水平距離 板裏側(階段芯)までの水平寸法
? ※階段を上り切るまでの垂直距離 ? その他、記入欄で指定する箇所の
? 上がり始めの、親柱の高さ寸法 寸法
これらを、自動計算書へ入力する事により、オーバー. ザ.
ポスト階段の、部材接続切断
位置等、15~17箇所の、手すり組み付け必要寸法が、計算書へ
自動的に算出されます。
? これに併せて、この自動計算書には、この計算結果に基づく階段立面図が添付
され、一目で、計画する階段の意匠とその概要を知る事が
できます。
? この立面図には、手すり部材の個々の接続切断寸法と、フィッツ社の
使用部材記号も
記入され、作業者はこの図から、各部材の接続位置を正確に知る事ができます。
? 又、この立面図から、階段部材の詳細発注リストを簡単に作る事ができ、発注時の
手間と、過大発注の無駄、ミスを大幅に軽減できます。
現場での誤差修正
階段部材個々の製作誤差や、現場での組み付け誤差は、
その都度修正が必要です。
? このために、自動計算書には、この修正のための、固有の早見表が自動計算で
算出されます。 (計算表の右欄へ、自動算出されます。)
? これにより、自動計算書への再度の入力なしに、このA4版の自動計算書
(1~2枚)だけで、素早く修正個所と変動数値を確認できます。
正確な基準値の指示で、大工さんの負担を大幅に軽減
この計算書がなければ、階段部材の接続切断寸法の決定は、今でも目視と勘に
頼らざるを得ません。
従来の方法では、かなり熟練した大工さんでも、この決定に、多くの時間と手間を
取られ、このため、意匠的な面や堅牢性への配慮は、どうしても後回しとなりがち
でした。
しかし、この自動計算書による部材接続切断寸法の提示は、算出の難しい基準
数値を、簡単明確に指示する事で、施工ミスを未然に防ぎ、この面での大工さんの
心労を大幅に軽減する事ができます。
本設階段の下地架設が、工事初期から、
安全な建築作業用階段
として活用できます。
このように、階段製作での自動計算書の活用は、オーバー. ザ. ポスト階段製作の最大の
難点を解消
すると共に、今日の住宅建設の現場で、建築作業用の本格的な仮設作業
階段
を、初期の段階で、簡単に作る事ができるようになります。
それは、計算書で表示される正確な数値に、階段下地材、ササラ桁の製作に必要な、
基準数値も含まれるているからです。
これによって作られる正確なササラ桁へ、作業用の仮設の踏み板を取り付ければ、
作業用階段の出来上がりとなります。
この階段は、建築期間中、様々の職種の人達はもちろん、
施主のご家族の方々
にも、従来に比べ、はるかに安全で便利に利用していただくことができます。
現に米国の2x4住宅建設では、早くからこの方法が取り入れられています。
※ この作業用先行階段設置図(階段下地、ササラ桁等)
の概要図をご覧になりたい
方は、以下へ進んでください。※
階段下地ササラ桁概要図は、左図のシンボルA.B.Cに
分かれています。 A.B組は回り階段を表し、その
中でA概要図は階段上部を、B概要図は階段下部と
なっています。 又、C組は手すりが壁に当たって
固定される階段形式を表し、こちらは手すり側と
壁側を分けて、二つのC概要図としています。
概要図をご覧になる場合は、下記の、それぞれの
リンク先を選んでください。
※ ササラ桁概要図では
手すり側と、壁側で異なった概要図を計画しています。
階段下地、ササラ桁A概要図はこちらです。
階段下地、ササラ桁B概要図はこちらです。
階段下地、ササラ桁、壁側のC概要図はこちらです。
階段下地、ササラ桁、手すり側のC概要図はこちらです。
階段計画で、“自動計算書”の作製を希望される方は、
こちらへお問い合わせください。
注意!! 自動計算書で用いる階段部材は、フィッツ社の指定製品のみです。
注意!! 主要な階段部材は、自動計算書の階段図と、右下欄へ
記号で記入しています。
(1) “自動計算書”作製には、先に(1.2.)で概述した、
自動計算書様式一式と、
同様に(6.)で触れた、階段下地ササラ桁の、計画概要図
を含みます。 これらを
ご希望の方へは、前もってその費用の見積もりをお出しします。
(2) 住宅の1階から2階に至るオーバー.ザ.ポスト手すり階段の場合、リンク先でご覧に
なれる自動計算書様式の作製と(A4版自動計算書2枚で1組の階段の場合も含めて)、
階段下地、ササラ桁の概要図作製が、有償作業の基本です。
これらは1件につき、
¥8,000-(税込)
が標準価格となります。
自動計算書様式をご覧になる場合は(回り階段上部の階段を
例示)、こちらです。
同じ個所の、 階段下地、ササラ桁A概要図は、
こちらです。
(3) 皆様からのご質問等への受け答えや、出来上がりました
書類等の送付は、メールを専ら
利用させていただく事
で、ご了解をいただきたいと思います。
(4) お見積りに際しては、階段室の計画平面図をお送りください。 こちらには上がり
始め位置、上りきり位置の、寸法指定をお願いします。
(5) 上がり途中の回り階段部は、 1段が理想で、歩行側を変えた場合でも、2段が限度か
と思います。 これ以上ですと、曲がり角の親柱への接続部で、手すり垂直部が高く
なり、手すりとしての安全性に問題があろうかと思います。
(6) 上がり始めの手すり形状に、ご希望がありましたらお教えください。 代表的な
ものは以下のような部材です。